こんな疑問に答えます。
英語上級者が教える効果が出る英語音読のやり方とコツ
効果的な英語音読の練習頻度
本記事の信頼性
【まずはじめに】英語の音読とはどういう勉強法?
英語の音読とはその名の通り、英文を声に出して音読する英語学習法です。
日本人の多くは黙読(声を出さず読むこと)を中心に英語学習をしていますが、音読は正しいやり方で行えば黙読をするより圧倒的に効果があるんです。
英語の音読をし続けているのに効果を感じられない人もいますが、それは効果の出ないやり方で音読をしています。
この記事では英語音読に挫折した人でも初めて始める人でもわかるよう、効果を出す英語音読のやり方とコツをステップごと解説していきます。
英語を音読することで得られるマルチな効果5つ
英語の音読は想像以上に英語力が鍛えられます。
具体的にいうと、音読から以下の5つの効果が得られます。
- リーディング速度が上がる
- リスニング力アップ
- スピーキングと発音の自動化
- 内容と英語が頭に定着する
- 音読を積み重ねると英語力の自信がつく
では順番に解説していきます。
リーディング速度が上がる
正しいやり方で英語音読をすると、英語を日本語に訳さず読めるようになりリーディング速度が上がります。
試験や資格で時間内に英文を読みきれない人は英文を日本語に訳して内容を理解しようとしていることが多いです。
英語→日本語→内容理解のプロセスだと、日本語に訳す時間や英語を日本語の語順に合わせる時間が必要になり、どうしてもタイムロスが起こります。
しかし、英語を音読すると英語を発声させて読むことに集中するため、同時に日本語訳を作ることがむずかしくなります。
このように、音読によって日本語訳する時間をなくすことで結果的にリーディング速度があがっていくのです。
リスニング力が上がる
英語を音読するとリーディングの速度だけでなく、リスニング力もアップします。
ネイティブスピーカーの音声に近づけるように英文を音読することで、ネイティブの英語発音や音の結びつきにも意識がいきます。
実は英語は日本語より多くの母音と子音が使われており、人間は自分が発音できない音は正確に聞き取れないのです。
そのため、音読をすることで英語の発音や音を正確に出す練習にもなり、発音できる音が増える=リスニング力の向上につながるのです。
スピーキングと発音の自動化
正しい音読方法を続けると、英語をしゃべるときに自然な英文の組み立てや発音が自動的にでてくるようになります。
音読は黙読と違い、”英語を英語らしく”しゃべる必要も出てきます。
”英語を英語らしく”というのは
- 英語のリズム
- 正しい発音やイントネーション
- 単語の音のつながり(リエゾン)
のことで、どれもかなりの英語量を音読しなければ身につきません。
そのため音読をくり返せば日本人が苦手なスピーキング力向上の第一歩にもなるのです。
内容と英語が頭に定着する
音読は目からの情報だけでなく、耳で自分の音読を聞いたり実際に口を使ってしゃべるため、英文の内容や覚えた英語が頭に定着しやすくなります。
たとえば料理動画を見るだけでは料理ができるようになりませんが、実際に手を動かしながら学ぶとすぐ覚えますよね。
このように、五感をうまく活用しながらネイティブスピーカーの音声に近づけようと音読することで、音読内容が脳に定着しやすくなります。
音読を積み重ねると英語力の自信がつく
ここまで解説した効果が少しでもでてくると、自分の英語が変わっていく実感が持てます。
この段階で音読をやめずに継続することで、リーディング、リスニング、スピーキング力がよりレベルアップし、自分の英語に自信が持てるようにもなります。
私自身も音読で英語発音を身につけたのですが、今ではカタカナ英語発音で発音できない&聞き取れない状態になりました。
つまり、ネイティブスピーカーの英語発音に近づいてきたということを意味します。
音読をくりかえして自然な英語が発音できるように慣れば、必然的に英語への自信は出てくるでしょう。
誰でも実践できる!効果を最大限にあげる英語音読のやり方【基本編】
ではここからは誰でも実践できるよう英語音読のやり方をステップごとに解説していきます。
ご紹介するやり方とコツを守って音読すればちゃんと結果はついてきますよ。
音読は2種類に分けられる
ではまず、効果が出るメカニズムを知るために音読の種類を抑えておきましょう。
英語音読は以下の2つの音読を両方実践することで効果が最大限に発揮されます。
- 内容を意識しながら音読
- 発音など音を意識した音読
内容を意識しながら音読すると、英語を日本語に訳さず理解するスキルがアップします。
発音など英語の音を意識して音読すると、英語の細かい音を聞き取る&しゃべるスキルを磨けます。
それぞれの音読方法で鍛えているスキルが違うので、効果を最大限に引き出すために内容と発音で分けてそれぞれ音読回数をこなすことが必要です。
種類別の音読を実践する大切さがわかったところで音読のやり方をみていきましょう。
STEP1:黙読で内容読解
英語音読の効果を最大限に高めるには準備が欠かせません。
いつも通り黙読をして全体の内容をしっかり理解しましょう。
実際に音読する前にいくつかのステップがありますが、飛ばすと効果が薄れるので注意です。
STEP2:精読と自分用に編集したスクリプトを作る
黙読で内容を理解した後は、わからない英単語や英文法、文の構造をしらみつぶしに調べます。
STEP2のゴールは、わからないけど放置してしまう部分をなくすことです。
読んでもわからない英語は、たとえどんなに音読しまくっても鍛えられるのは発音スキルだけになってしまいます。
音読でリーディング力も強化したい人はめんどくさくても精読(わからない部分を細かく調べること)は省かないでください。
この時点でわからない発音やイントネーションも調べてスクリプトに直接鉛筆でメモを残しておきましょう。
STEP3:リスニング音声を集中して聞く
STEP2で音読教材を自分用にアレンジしたら、次はネイティブスピーカーの読み上げ音声を集中して聞きましょう。
ここでは音声をインプットするのが目的なので、1回のリスニングだけで終わらせず、最低でも3回くらいは聞きましょう。
頭に音声が残ってるくらいでちょうどいいので、この段階で何十回も効く必要はありません。
STEP4:リスニング音声を思い出しながら音読
音声をインプットした後はネイティブスピーカーの音声をまねするつもりで音読します。
音読に慣れていない人なら口が思うように動かず、フラストレーションがたまります。
ですが、それはとても自然なことなので安心してください。
ここでいちばん重要なのは、少しでもネイティブスピーカーの音声に似せようとすることです。
理想(ネイティブスピーカーの音声)に近づけるように意識して音読しなければ、いつまでたっても発音・リスニング・スピーキングに効果はでないので注意です。
STEP5:つまずいた部分を集中トレーニング
口がもつれてうまく音読できない部分があったら、口に馴染むよう集中的に音読をくり返します。
もしネイティブスピーカーの音声と自分の音読している英文の聞こえが違うと感じるときは、その部分に英語の特殊な音のつながり(リエゾン)が隠れているかもしれません。
リエゾンの例としては、let it goを
ネイティブの音声は「レリゴー」と発音している
これくらい聞こえ方に違いが出ます。
なので音読でつまずいたところやいまいちしっくりこないところはその部分を集中的に練習しましょう。
STEP6:Read&Look upで内容を意識しながら音読
Read&Look upとは、英文を読んだ後に顔を上げて、本文を見ずに英文を音読をする練習方法です。
Read&Look upをやることで
というサイクルを回せます。
この方法だと、脳をフル回転させて音読するので、自分により負荷をかけることができます。
誰でも実践できる!効果を最大限にあげる英語音読のやり方【応用編】
ここからはもっと負荷をかけて音読ができる方法を2つご紹介します。
オーバーラッピング
オーバーラッピングとは、英文を見ながらネイティブスピーカーの音声に重なるように音読するやり方です。
ネイティブスピーカーの音声はふつうに早いので、追いつけない部分は音声を止めて何回も音読してください。
オーバーラッピングがついていけない人は英語本文を指で追うようにしましょう。
シャドーイング
シャドーイングとは、英語の音を聞き取った瞬間に自分でその音を発音する練習方法です。
シャドーイングはもはや音読ではないのですが、正しい英語の音を瞬発的に出す練習には優れています。
英語初心者がいきなりシャドーイングから挑戦すると心が折れるので、音読で鍛え抜いたあとに実践するのがオススメです。
初心者こそ抑えておきたい英語音読のコツ4つ
ここまでで音読のやり方をステップごとに解説しましたが、音読の効果を高めるためのコツもあるので全てご紹介します。
音読のコツ1:音読と同時進行で発音やリエゾンを学んでおく
音読を実践しながら英語の発音方法を一緒に学ぶことで、相乗効果的に英語力がアップします。
なぜかというと、発音や音のつながり方を知ることで細かい音の違いまで聞き取れるようになるからです。
なので、英語発音やリエゾンをなめずにコツコツと勉強しておきましょう。
音読のコツ2:ネイティブの音声があるものを選ぶ
できるだけネイティブスピーカーの読み上げ音声があるものを音読教材に選びましょう。
たとえば、
- 英語絵本のアプリ
- 音読専用の教材
- 読み上げ機能つき英語ニュースサイト
のように音声付きのリーディング教材もあるので最大限活用しましょう。
ネイティブスピーカーの音声なしに音読すると、英文が本来どう読まれるべきかわからないまま音読することになるので効果が出にくくなります。
音読のコツ3:同じ英文や教材を使い続ける
音読をするときは、できるだけ同じ英語のパッセージや教材を使い続けましょう。
同じ英語教材を音読をすることで、新しく学んだ英単語・文法を復習できるだけでなく、覚えたフレーズがぽろっとでるようになります。
また、新しい情報が脳に定着するのに4回復習すべきともいわれています。
今回ご紹介した音読方法だと音読回数は余裕で4回を上回るので、ただ丸暗記するより頭に定着しやすくなることは確実です。
音読のコツ4:文やスラッシュ部分単位で音読する
音読を始めてみたけど続かない人の多くは、音読に慣れていないのに一気に全文音読しようとしている可能性があります。
最初のうちはスムーズに読めなくて当たり前なので、英文を細かく区切って丁寧に音読をしていきましょう。
黙読や精読の時点で文の節をスラッシュ(/)で区切っておけば後から楽に音読でき、オススメです。
【効果がゼロになる】絶対NGな英語の音読方法2つ
効果的に英語力を上げる音読方法とコツをみてきましたが、音読には逆にやってはいけないNG項目もあります。
NGな音読方法も確認して、音読の効果を高めましょう。
日本語訳を考えながら英語音読
英語を音読しながら日本語訳を同時に考えようとする人もいますが、このやり方はNGです。
英語音読の本来の目的は英語を英語のまま理解できるようにすることです。
また、バイリンガルの人でも2つの言語を同時進行で考えているわけではなく、それぞれの言語をスイッチするようにして使い分けています。
そのため、英語を音読しているときは日本語に訳すのではなく、自分の声や文の内容に意識するようにしましょう。
英語レベルに合わないような難しい内容を選ぶ
英語音読に限らず、第二言語学習で大切なのは自分のレベルにあった内容の英語教材を使うことです。
もし英語初心者なのに科学的な研究や説明がされている専門書を音読しようとしても99%挫折してしまいます。
音読教材を選ぶ時は文法や英単語も含めて8割くらいは理解できるものを選ぶましょう。
音読は毎日の継続が大切!コンスタントな音読練習がいい理由
ここまでで音読の正しいやり方はわかったけど、効果的な音読の頻度がわからないとお悩みの方も多いはず。
個人的な経験からいうと、量は多くなくてもいいので毎日音読することが大切です。
どんな能力も1日で鍛え上げることはできません。
毎日英語を音読することを習慣化すれば、1日だけ一気に音読するのに比べて音読する合計時間が多くなります。
また、1日だけありえないほどの量をやっても英語独特の口の動きに慣れることはできません。
自分のペースで構わないので、毎日音読するよう習慣化させましょう。
【まとめ】正しい英文音読のやり方とコツで一歩上の英語レベルへ!
いかがでしたか?
音読に限らず英語学習そのものは毎日の継続が英語力アップのカギになってきます。
ご紹介したやり方をSTEP1から試して、英語を英語のまま理解できるようにコツコツ音読を積み重ねてみてください。